8.572167
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番&第9番
1-4.交響曲第5番ニ短調「革命」 Op.47
5-9.交響曲第9番変ホ長調 Op.70
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
ヴァシリー・ペトレンコ(指揮)
最近注目の若手指揮者の中でも、とりわけ有望株の一人であるヴァシリー・ペト
レンコ。その活躍は目覚ましく、彼が指揮したチャイコフスキーの「マンフレッ
ド交響曲」(8.570568)は 2009年のグラモフォン・アウォードも受賞、ますます
目が離せない存在となっています。このショスタコーヴィチの交響曲集の第2集
は有名な第5番と第9番のカップリングです。
8.572174
メシアン:ミのための詩・忘れられた捧げもの・ほほえみ
1-4.歌曲集「ミのための詩」(ソプラノと管弦楽版)第1集(感謝の行為/風景/家/
恐怖を抱く)/5-9.同第2集(妻/おまえの声/二人の戦士/首飾り/かなえられた祈
り)/10.忘れられた捧げ物/11.ほほえみ
アンネ・シュヴァネヴィルムス(ソプラノ)…1-9/フランス国立リヨン管弦楽団
/準・メルクル (指揮)
愛と信頼、死および永遠、そして鳥の歌。これらはメシアン(1908-1992)にとっ
て、永遠のテーマです。「忘れられた捧げもの」は彼にとって最初に公表された
管弦楽作品で、「捧げもの」とはキリストの無償の愛。それを忘れてしまい罪
を重ねる人間の姿、忘れないための聖体秘跡、これらが音によって描かれます。
「ミのための詩」はメシアンによる極めてシンボリックな愛の歌。最初の妻ク
レア・デルボスに捧げられた 9つの神秘的なテキストによります。もちろん
「ほほえみ」では随所に鳥の声が聞こえてきます。メシアン入門としても最適
なこの1枚。準・メルクルの紡ぐ柔らかいオーケストラの音色と、硬質な響きを
持つシュヴァネヴィルムスのソプラノは聴き手を陶酔の世界へと連れていきま
す。
8.572191
サラサーテ:ヴァイオリンと管弦楽のための作品集第1集
1.ツィゴイネルワイゼン Op.20/2.スペイン風アリア Op.18(ヴァイオリンと管
弦楽編)/3.ミラマール=ソルツィーコ Op.42(ヴァイオリンと管弦楽編)/4.ペ
テネラス Op.35(ヴァイオリンと管弦楽編)/5.ノクターン・セレナード Op.45
/6.ビバ・セビーリャ Op.38(ヴァイオリンと管弦楽編)/7.「白衣の婦人」に
よる幻想曲 Op.3
楊天堝(ヴァイオリン)
ナバーラ交響楽団/エルネスト・マルティネス=イスキエルド(指揮)
すすり泣くようなヴァイオリンが印象的な「ツィゴイネルワイゼン」で知られる
サラサーテ (1844-1908)。しかし、彼の他の作品は想像以上に知られていない
のが実情です。サラサーテは、 1844年にスペインのパンプローナで生まれまし
た。父は連隊の楽団指導者で、幼いパブロにヴァイオリンを教えましたが、才
能に溢れた息子はすぐに父を追い越し、もっと技術を磨くためにマドリッドに
移ります。彼の早熟な才能は時のスペイン女王イザベラ 2世に認められ、支援
を受けてパリ音楽院に留学し、それ以降は優れたヴァイオリニストとして活躍
することになります。彼の作品のほとんどは、ヴァイオリンと管弦楽のために
書かれ、スペインの民族音楽や舞曲を取り入れた華やかなものとなっています。
8.559304
ラウリセン:合唱作品集
1.ルクス・エテルナより「おお、光よりの光」/ 2-7.マドリガル-イタリア・
ルネッサンスの詩による 6つの「炎の歌」/ 8-11.ライナー・マリア・リルケ
の詩による「ばらの歌」/ 12-16.真冬の歌-ロベルト・グラヴェスの詩による
/17.おお、大いなる神秘
レスリー・デアス(ピアノ)…8-16/エローラ・フェスティバル・シンガーズ/
ノエル・エジソン(指揮)
合唱に携わる人なら、この作曲家の名前に馴染みがあることでしょう。現代ア
メリカで最も素晴らしい合唱作品を書く人として知られるラウリセン(1943-)の
作品集です。「おお、光よりの光」は合唱とオーケストラのための「ルクス・エ
テルナ」からの抜粋。光と暖かさに覆われた美しく静かな音楽です。それに対し
て、マドリガルは「炎の歌」は中世の香りを色濃く身に付けた快活なもの。和声
もリズムも活気に満ちていて、要求されるハーモニーの難易度も非常に高くなっ
ています。リルケの詩によるも「ばらの歌」は洒脱なシャンソンです。そして
ピアノ伴奏を伴う雄大な「真冬の歌」、様々な作曲家たちのクリスマス・ソン
グの集大成ともいえる「おお、大いなる神秘よ」と、どれも歌うことの喜びに
満ちた佳品ばかりです。
8.559603
スティル:交響曲第4番&第5番
1-4.交響曲第5番「西半球」/ 5.オーケストラのための詩曲/6-9.交響曲第4番
「先住民族の」
フォート・スミス交響楽団/ジョン・ジーター(指揮)
アフリカ系アメリカ人作曲家、ウィリアム・グラント・スティル(1895-1978)の
生涯と経歴は、アメリカにおけるサクセス・ストーリーと言えるでしょう。彼は
黒人、インド人、スペイン人、およびアイルランド・スコットランドの血をひく
家系に生まれ、3歳の時に父親と死別、教師だった母親のもとでヴァイオリンを
学びつつも、第1次世界大戦で音楽の勉強を中断せざるを得なくなります。戦争
の後には編曲者、ポップス音楽の演奏家として働きますが、技術的に未熟さを感
じた彼は保守派であるチャドウィックと革新派のヴァレーズから様々な刺激を受
け、以降、独自の音楽性を確立します。ここで聴ける彼の作品は、古典的なフォ
ルムの中にどことなく民族性を感じさせるワイルドなもの。映画音楽にしてもふ
さわしい雄大さと、荒々しい音の奔流が心地よさを誘います。
8.570895
R.シュトラウス:
1-5.家庭交響曲 Op.53 TrV209/6.メタモルフォーゼン TrV290
ワイマール・シュターツカペレ/アントニ・ヴィト(指揮)
自分のプライヴェートまでを音楽にするのか!と眉をひそめる人も多いかも知
れません。この交響曲、確かに書き過ぎちゃっています。のんびり屋で夢見が
ちな夫(R.シュトラウス(1864-1949)自身と思われる)、快活でおしゃべりな妻(パ
ウリーネでしょう)、かわいい子ども、彼らは全て音で表現され、諍いも睦みあ
いも全て克明に描かれています。特に第3楽章での濃厚な夫婦の愛の場面では頬
が赤らんでしまうことでしょう。あまりにも情報量の多いスコアをきちんと再
現するのは本当に困難なのか、あまり実演で取り上げられることもない難曲と
して知られています。対照的に置かれた悲痛なメタモルフォーゼンは戦争で破
壊されたドイツを目の当たりにした晩年の彼の心情を映した作品です。ベート
ーヴェンの「英雄交響曲」の葬送行進曲をモティーフにした鎮魂歌で、バーバ
ーのアダージョに匹敵する美しさです。
8.559370
アイヴズ:祭日交響曲 他
1.アメリカの祭日交響曲より第2楽章「戦没将兵記念日」(J.シンクレア編)/
2.スロッカム将軍(D.G.ポーターによるリアリゼーション)/3.序曲ト短調(D.G.
ポーターによるリアリゼーション)/4.アメリカの祭日交響曲より第3楽章「独
立記念日」(W.シャーリーによるリアリゼーション)/5.イェール対プリンスト
ンのフットボール・ゲーム(J.シンクレアによるリアリゼーション)/6.へ調の
後奏曲(K.シングルトン編)/7.アメリカの祭日交響曲より第4楽章「感謝祭」
(J.エルクス編)2,3…世界初録音
マルメ室内合唱団… 7/マルメ交響楽団/ジェイムス・シンクレア(指揮)
あのストラヴィンスキーも傑作と認めたアイヴズ(1874-1954)の祭日交響曲です。
アイヴズが幼年期から構想を練っていたという、アメリカにおける大切な祝日
のために書かれた音楽は、「ワシントンの誕生日」(この曲のみ 8.559087に収
録)「戦没将兵記念日」「独立記念日」「感謝祭」の 4つの楽章から出来ていま
す。このアルバムでは、それらの楽章にいくつかの別の作品を組み込み、あた
かも別の独立した作品のような一大人間ドラマを作り上げることに成功、アイ
ヴズの観察眼の鋭さと、人間の営みへの大いなる賛歌として、このアルバムの
存在感を高めています。
8.570991
ヨアヒム:ヴァイオリン協奏曲集
1.1楽章のヴァイオリン協奏曲ト短調 Op.3/2-4.ヴァイオリン協奏曲「ハンガ
リー風」 Op.11
キム・スーヤン(ヴァイオリン)
ワイマール・シュターツカペレ
ミヒャエル・ハラース(指揮)
メンデルスゾーンにヴァイオリンを学び、ワイマールでコンサートマスターを
務め、まずリストとワーグナーと親しくなり、その後シューマンやブラームス
を知ってからは一転、リストやワーグナーを批難するという、まさに「我が道
を行った」音楽家ヨーゼフ・ヨアヒム(1831-1907)。現在での彼の名前は、どち
らかというと演奏家としてのみ知られていますが、ここで聴けるような極めて
音楽性の高い作品も書いていたのです。1851年に書かれリストに献呈されたヴァ
イオリン協奏曲はメンデルスゾーンの影響を強く受けていて、要所にみられる
泣かせるメロディがたまりません。 1857年に書かれた Op.11の協奏曲は、長
大な第1楽章と、極めて技巧的で民族的な味わいを持つフィナーレが特徴的。
この演奏困難な作品を 2006年ハノーヴァー国際コンクール優勝者のキムが余裕
で弾ききっています。これはため息ものの1枚です。
8.570977
イザイ:弦楽三重奏曲「シメイ」・2つのヴァイオリンのためのソナタ他
1-3.2つのヴァイオリンのためのソナタイ短調遺作/ 4.弦楽三重奏曲「シメイ」
遺作/ 5-8.無伴奏チェロのためのソナタ Op.28
ヘンニング・クラッゲルード(ヴァイオリン)…1-4/バルド・メンセン(ヴァイ
オリン)…1-3/ラース・アネルス・トムテル(ヴィオラ)…4/オーレ=エイリク
・リー(チェロ)…4-7
イザイ(1858-1931)と言えば、6つの無伴奏ソナタがとりわけ有名ですが、この
ベルギーの作曲家はヴァイオリンの更なる可能性について常に探究を怠ること
はありませんでした。ここで聴ける「2つのヴァイオリンのためのソナタ」での
ぞくぞくするような音楽的緊張感を味わってしまうと、もうイザイの魔力から
逃れることは不可能でしょう。このソナタは 1915年にベルギーのエリザベート
王妃のために書かれていて(彼女はイザイにヴァイオリンを教わっていた)、実
際に演奏されたかはわかりませんが、何ともロマンティックな響きを持ってい
ます。1927年に書かれた弦楽三重奏は、イザイの死後に初演されました。あま
り演奏されることのない秘曲ですが、どことなくドビュッシー風の音も感じら
れる魅力的な作品です。
最近めきめきと頭角を表しているクラッゲルードと彼を取り巻く仲間たちの、
とろけるような名演でどうぞ。
8.557804
タネーエフ:ヴァイオリン・ソナタ&ピアノ作品集
1-4.ヴァイオリン・ソナタイ短調/ 5.主題と変奏ハ短調/ 6.エレジーホ長調
/ 7.スケルツォニ短調…世界初録音/ 8.スケルツォト短調…世界初録音/
9.スケルツォ変ホ短調…世界初録音/ 10.スケルツォハ長調…世界初録音/
11.スケルツォヘ長調…世界初録音/12.前奏曲ヘ長調/ 13.カドリーユ…世界
初録音/14.アンダンティーノ・センプリーチェ/ 15-16.前奏曲とフーガ嬰
ト短調 Op.29/17.10のロマンス Op. 26より第6番「鍾乳石」(ヴァイオリンと
ピアノ編)
イヴァン・ペシュコフ(ヴァイオリン)…1-4,17
オルガ・ソロヴィエヴァ(ピアノ)
偉大なる作曲家タネーエフ(1586-1915)は、実はピアニストとしても有名で、彼
のコンサートは「モスクワ全土のための音楽の祝賀」と称されるほど高く評価
されていました。彼はニコライ・ルビンシテインにピアノを学び、モスクワ音
楽院に入学後はすぐさま最も優れたピアニストとして知られるほどでした。あ
の有名なチャイコスキーのピアノ協奏曲のモスクワ初演もタネーエフが行って
います。しかし、タネーエフがピアノのために書いた作品は驚くほど少なく、
また演奏される機会もほとんどありません。ここに収録された作品もほとんど
が世界初録音というものばかりです。彼の円熟した作曲技法が楽しめるヴァイ
オリン・ソナタも聴きどころのひとつです。
8.559653
ファン・リュー:4つのコーナーのために
1-3.ドラマ・シアター No.2「移動する日陰」/ 4.ドラマ・シアター No.3
「風と共に散る」/5-6.ドラマ・シアター No.4「4つのコーナーのために」/
7.弦楽四重奏曲第1番「3つの緊張」
フューチャー・イン・リヴァース(アンサンブル)/ファン・リュー(指揮)
1976年生まれのファン・リューはアヴァンギャルドな作曲家であると同時に、
指揮者、そして中国国内で広く知られるフォーク&ロック・シンガーでもあり
ます。このアルバムでも極めてユニークな音楽が展開されています。東洋、西
洋の様々な楽器を縦横無尽に駆使し、多彩な音を鳴らしまくる「ドラマ・シア
ター」は、 1998年から構想された 5つの部分からなる大作です。各々の奏者は
楽器をただ演奏するのではなく、歌い、語り、お互いに影響を及ぼさなくては
いけないとされています。しかし、その作品は某教育番組のアニメーションの
バックにでも流したらいいかも。と思ってしまうほどの楽しいものです。各々
の副題は多くのことを示唆しているので、聴き手は想像力を極限まで働かせな
くてはいけません。
8.570497
ティペット:弦楽四重奏曲集第2集
1-5.弦楽四重奏曲第3番(1945-46)/6-7.弦楽四重奏曲第5番(1990-91)
ティペット弦楽四重奏団 (メンバー)
ジョン・ミルズ(第1ヴァイオリン)/ジェレミー・アイザック(第2ヴァイオリン)
マキシン・ムーア(ヴィオラ)/ボツィダール・ヴコティク(チェロ)
同じ団体による第1集(8.570496)をお聴きになった方ならおわかりの通り、この第2
集もすばらしい出来栄えです。ティペット(1905-1998)にほれ込み、団体の名前に
据えてしまうほどの若きイギリスの演奏家たちによるこの第3番と第5番の弦楽四重
奏曲は、どちらもティペットが敬愛していたベートーヴェンの影響が見てとれます。
後年のティペットに見られるような劇的な作風ではなく、ソナタ形式に基づき、要
所要所で対位法を用いた、ある意味古典的なフォルムを用い、そこに現代的な味付
けを施したこれらの曲は 20世紀の室内楽作品の中でも極めて重要な作品として数
えられることでしょう。
8.572213
ヒンデミット:室内楽作品集
1-3.クラリネットとピアノ・トリオのための四重奏曲/ 4-7.クラリネットとピアノ
のためのソナタ/8-10.チェロとピアノのための3つのやさしい小品/ 11-15.クラ
リネット、2つのヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための五重奏曲 Op.30
シュペクトラム・コンチェルト・ベルリン (メンバー)
アンネット・フォン・ヘーン&エリザベス・グラス(ヴァイオリン)
/ヘルトム-ト・ローデ(ヴィオラ)/フランク・ドッジ(チェロ)
ラース・ウーターズ・ファン・デン・オウデンウェイェル(クラリネット)
ヤ=フェイ・チュアング(ピアノ)
作曲家、指揮者、ヴィオラ奏者として知られるヒンデミット(1895-1963)ですが、彼
は他にも、ヴァイオリン、ピアノ、クラリネットなど様々な楽器を易々と演奏でき
る腕の持ち主で、当然彼の書いた器楽曲や室内楽曲は、楽器の構造を存分に知りつ
くした機能的なものとなりました。このアルバムでは主にクラリネットが大活躍す
る作品を収録。シリアスな場面からユーモラスな場面まで縦横無尽にメロディを吹
きまくるクラリネットの妙技には驚く他ありません。オランダの名手オウデンウェ
イェルの深く美しい音色でこの知的な作品をお楽しみください。
8.570948
オアナ:十弦ギターのための作品集
1.ティエント/2-8.日が昇れば…(寺院/愁嘆/マヤ・マーシャ/20のアブリル /ベレ
ニスの髪/4つの風の遊び /オーブ)/9-12.月時計(らんちき騒ぎ/フラメンコ/シル
ヴァ/シャンデリア)
グラハム・アンソニー・デヴァイン(ギター)
モロッコ生まれの作曲家、オアナ(1913-1992)は本来はユダヤ系の血筋を持ちながら
も、父親がジブラルタル(イベリア半島のイギリス領土)出身だったため、イギリス
国籍を取得しました。パリで学び、ドビュッシーとファリャから強く影響を受け、
一時期はローマでカセッラにも学び、少しずつ独自の作風を模索、円熟期には、フ
ラメンコとアフリカの民族音楽、そして中世音楽にも魅了されるなど、様々な風土
の影響を受けた情熱的な作品を多く書いています。ギターの作品も多く書いていて、
どれもスペインの音楽に現代的な味付けを施した熱い曲ばかり。ここでは名主デ
ヴァインの弾く十弦ギターの深い響きを心行くまで堪能することができるでしょう。
8.572298
ミヨー:歌曲集「アリッサ」他
1-8.歌曲集「アリッサ」-アンドレ・ジッドの「狭き門」による組曲 Op.9(ジェロー
ム/ジェロームとアリッサ I /ジェロームとアリッサ II /アリッサの手紙/ジェロ
ームとアリッサ III /アリッサの手紙(断章)/前奏曲(ピアノ・ソロ)/ジェロームと
アリッサ(断章))/9-17.歌曲集「愛は歌う」Op.409…世界初録音 (真の愛/愛してる
/ソネット/彼は書く、女性の美しさについて/以下参照/決して二度となく/夕方/私
の肉体に欠けている多くのもの/すいかずら)/18-25.歌曲集「ユダヤの詩」 Op.34
(歌う看護師/シオンの歌/働く者の歌/憐憫の歌/諦めの歌/恋の歌/鍛冶屋の歌 /哀歌)
キャロル・ファーリー(ソプラノ)/ジョン・コンステイブル(ピアノ)
フランス六人組の中心人物であったミヨー(1892-1974)は、その生涯に数多くの名
曲を生み出しました。このアルバムにはそんなミヨーの最後のスコアであり、かつ
最も興味深い歌曲集「愛の歌」の世界初録音が含まれています。この「愛は歌う」
は様々な詩人たちの愛の主題による言葉を、短くも完結な音楽で紡ぎ出し、微妙な
感情の揺れを見事なまでに音にしています。ジッドの狭き門による連作歌曲「アリ
サ」と、彼が雑誌で見つけたテキストを元にした「ユダヤの詩」もドビュッシーを
思わせる多感な表現が魅力的です。クルト・ワイルなども得意とするファーリーの
豊かな感情が迸る名唱でお楽しみください。
8.572161
メンデルスゾーン& J.S.バッハ:モテット集
1-6.メンデルスゾーン(1809-1847):マニフィカトニ長調/ 7.メンデルスゾーン:弦
楽のためのシンフォニア第12番ト短調より第1楽章「フーガ」/ 8-19.J.S.バッハ
(1685-1750):マニフィカトニ長調/ 20.メンデルスゾーン:アヴェ・マリア
Op.23-2
バーガー・ラッド(テノール)/イェール・ヴォクステット/イェール・コレギウム
・プレイヤーズ/サイモン・キャリントン(指揮)
極めて才能ある 10代の若き音楽家、メンデルスゾーンが宗教曲を書く際、自らの
お手本にしたのは、当時ほとんど忘れ去られてしまっていた J.S.バッハ、および
彼の息子 C.P.E.バッハの作品でした。聖母マリアの賛美の歌である輝かしい「マ
ニフィカトニ長調」は何とメンデルスゾーン 13歳の作品。ホルンなどの使い方は
バロックの様式をそのまま継承し、 J.S.バッハの作品から幾獏かのモティーフを
拝借、ちゃっかり自作の中に忍び込ませているところなど、なかなかのやり手です。
トラック7に置かれた「弦楽のためのシンフォニア」のフーガは、同じ時期に書か
れた彼の全くのオリジナル。半音階を多用したメロディが不可思議な気分を喚起し
ます。1830年に書かれたアヴェ・マリアはすっかりメンデルスゾーンらしさを身に
つけたもの。後の「エリア」に続く壮麗な作品です。
8.572265
甘き欲望にとりつかれ-歌う修道女と淑女たち・寝室に大聖堂からの
1-2.ノートルダムのレパートリー(ペロタン(1180-1225):アレルヤ、われは援助を
与え /ペロタン:すべての国々は見たり)/3-9.作者不詳:女吟遊詩人たち(騎士よ、
私はあなたの元へ /私は若く可愛らしい/忍耐強く、私のだんなさま /もし誰かが
私を見ていたら/黒髪の彼は私を修道院から連れ去ってくれない/誰も私を慰めてく
れない/甘き欲望に取りつかれ)/10-12.ノートルダムのレパートリー(ペロタン:王
たちは座り/作者不詳:クラウズラ「死は」/レオナン(1150-1201):われ汝を遣わし
て孤児とはせず)
ムジカ・フィクタ/ボー・ホルテン(指揮)
女性作曲家、演奏家が注目されはじめたのは 20世紀になってから。それまでは、
よほどの事がない限り、どんなに才能があった女性がいたとしても、その才能は過
小評価され、埋もれてしまったのです。特に中世は教会でも俗世でも男性が中心。
女性が活躍する場はほとんど与えられていませんでした。しかし、ノートルダムの
宗教曲レパートリーにも、吟遊詩人たちの歌の中にも女声にふさわしいものが数多
くありましたし、歌詞の内容も女性たちの切実な願望が隠されているものがたくさ
んあるのです。そうです!女性たちが歌っていなかったはずはありません。通常耳
にする男性の裏声とは違う、切れ味鋭い女声のアンサンブルは、体の芯を心地良く
刺激してくれるでしょう。
8.572317
リュッティ:レクイエム
1.入祭唱/2.主よ、あわれみたまえ/3.聖餐式/4.聖なるかな-祝福あれ/5.神の
子羊/6.聖体拝領唱/7.楽園にて
オリヴィア・ロビンソン(ソプラノ)/エドワード・プライス(バリトン)/バッハ合
唱団/ジェーン・ワッツ(オルガン)/サザン・シンフォニア
デイヴィッド・ヒル(指揮)
スイス生まれの作曲家リュッティ(1949-)のレクイエムです。彼はチューリヒでピ
アノとオルガンを学び、その後イギリスで当地の合唱団を聴き、その高い技術に深
く感動し「彼らのために合唱曲を書こう」と決意しました。それ以来、宗教曲を含
む数多くの合唱曲を発表、それらはイギリスとアメリカの合唱団によって広く愛唱
されています。このレクイエムはソプラノとバリトン独唱、2組の聖歌隊、弦楽合
奏、ハープおよびオルガンのために書かれたもので「残された人の感情をほぐすた
めに、言葉は強い力を持っていない。しかし、音楽ならば、死の後に何が私たちを
待っているのかを存分に説明してくれる」と作曲家が語っています。
8.660224
ルベル&フランクール:歌劇「シルフの王、ゼランドール」他
1-16.シルフの王、ゼランドール(1745)/17-24.「トロフィー」組曲(1745)
ゼランドール…ジャン=ポール・フシェクール(テノール)/ジルフェ…ハイディ・
グラント・マーフィー(ソプラノ)/妖精ズリム…ウィリアム・シャープ(バリトン)
/水の精、風の精…ホン・アヤン(ソプラノ)/オペラ・ラファイエット管弦楽団&
合唱団/ライアン・ブラウン(指揮)…1-16/ハイディ・グラント・マーフィー(ソ
プラノ)/ジャン=ポール・フシェクール(テノール)/オペラ・ラファイエット管
弦楽団&合唱団/ライアン・ブラウン(指揮)…17-24
冒頭の不協和音が有名なバレエ組曲「四大元素」で知られるバロックの大作曲家ル
ベルの長男、フランソワ・ルベル(1701-1775)も優れたヴァイオリン奏者でした。
1715年、彼は友人フランクール(1698-1787)(こちらはヨーゼフ・フランクールの息
子)とともにプラハに行き、そこでフックスのオペラ「忍耐と堅忍」の上演に立ち会
い、刺激を受けました。彼ら 2人はそれからパリに行き、より友好を深め、以降
49年もの長い間、強い友情で結ばれ、その結果いくつものオペラが生み出されたの
です。このオペラは 1745年にベルサイユで上演された楽しいロココ調の牧歌劇で
す。ずっと忘れられていた作品ですが、ラファイエットによるこの素晴らしい演奏
で色鮮やかに蘇りました。フルオーケストラと合唱付きでの演奏は世界初録音とな
ります。
8.504016 4枚組 特価 \3000
ダウランド:リュート音楽集 BOX
8.557586 第1集/8.557862 第2集/8.570449 第3集/8.570284 第4集
演奏:ナイジェル・ノース(リュート)
ジョン・ダウランド(1563-1626)は後期ルネッサンス時代のイギリスの作曲家、リュ
ート奏者です。彼の素朴な旋律美に溢れたリュート音楽は、時を超えて現代の芸術
家たちにも愛されています。ナイジェル・ノースは言わずと知れたダウランドの第1
人者。彼の演奏は、全ての曲から変幻自在の表情を引き出して、私たちに典雅なる
喜びを与えてくれるのです。
8.505225 5枚組 特価 \4000
マックスウェル・デイヴィス:NAXOS弦楽四重奏曲全集 BOX
8.557396 第1番&第2番/8.557397 第3番&第4番/8.557398 第5番&第6番/
8.557399 第7番&第8番/8.557400 第9番&第10番
演奏:マッジーニ四重奏団
現在、スコットランドの北に位置するオークニー諸島で暮らす作曲家マックスウェ
ル・デイヴィス卿(1934-)。彼の作品は確かに難解ではありますが、それはこの世
のありとあらゆるものを自身の作品に取り入れ、肥大化した情報をきちんと整理し
たからに他なりません。この NAXOS弦楽四重奏曲は、ナクソス委嘱作品でもあり、
作曲家のライフワークでもあります。占星術、絵画、世界情勢、彼が触発された
様々な物が投影された独自の音世界は、聴き手に自らの心を向き合う姿勢をも要求
する孤高の世界でもあります。
8.111339
グレート・コンダクター・シリーズ/カラヤン
ベートーヴェン(1770-1827):交響曲第1番&第3番
1-4.交響曲第1番ハ長調 Op.21/5-8.交響曲第3番変ホ長調 Op.55「英雄」
※マーク・オーバート=ソーン復刻
フィルハーモニア管弦楽団/ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
録音:1953年11月21日…1-4
1952年12月1日…5-8 ロンドン、キングスウェイ・ホール
「若き推進力溢れるカラヤン」を楽しみたい人にオススメの 1枚。幾度となくリマ
スターされ、かつ再販される名演で、改めて、こうして聴いてみると「カラヤンっ
て素晴らしい」と素直に感じてしまいます。ベートーヴェンの交響曲を何度も録音
したカラヤンですが、このフィルハーモニア管との演奏には特別な存在感があるの
です。第1番の交響曲の冒頭の計算され尽くした音のバランスを耳にしただけでも、
この演奏に漲る力を感じ取れることでしょう。「英雄」の第1楽章で提示部を繰り
返すことなく、どんどん突き進んでいくところなども若きカラヤンが唯唯諾々と己
の内なる声に従う様が見て取れます。モノラル録音のハンデは一切感じられない
瑞々しい音も魅力です。
8.111342
グレート・コンダクター・シリーズ/ケンペ
ブラームス(1833-1897):ドイツ・レクイエム Op.45
1.幸いなるかな、悲しみを抱くものは/ 2.肉はみな、草のごとく/ 3.主よ、知ら
しめたまえ/ 4.いかに愛すべきかな、なんじのいますところは、万軍の主よ/
5.汝らも今は憂いあり/6.われらここには、とこしえの地なくして/ 7.幸いなる
かな、死人のうち、主にありて死ぬるものは
※マーク・オーバート=ソーン復刻
演奏:ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)…3,6/エリーザベト
・グリュンマー(ソプラノ)…5/聖ヘトヴィク大聖堂合唱団/ベルリン・フィルハ
ーモニー管弦楽団/ルドルフ・ケンペ(指揮)
録音: 1955年6月ベルリン ,イエス・キリスト教会
どちらかというと「辛気臭い」と言われがちなブラームスの名曲「ドイツ・レクイ
エム」の隠れたる名演です。グリュンマーの楚々とした歌声、フィッシャー=ディ
ースカウの張りのある低音。そして何よりケンペらしいゆったりとしたテンポと重
厚な管弦楽の響き。完全無比と崇められるクレンペラー盤に比べても何の遜色もな
いほどの出来なのに、モノラルのせいか、なぜかあまりCD化されることもなかった
演奏(一時期疑似ステレオ盤が出回りました)です。この機会にじっくりとその真価
をお確かめください。
【日記の最新記事】

